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2022年07月30日

【国語】夏の学習ポイント

次の3点に留意して、国語の夏期学習を実効的に楽しんでください。

①授業=学習のコアである
学校の補習であれ、塾の講座であれ、学習の基盤は授業=「生きた授業」にあります。テキストを通して繰り広げられる国語空間は、教師と生徒のコラボレーションというだけでなく、筆者や出題者をも取り込んだヴィヴィッドでパフォーマティヴな国語体験世界です。 今現在の授業空間が、君の明日や未来との揺るぎない強力な接点であることを意識してみてください。学習意識の変化は、君の学力向上という変化に直結して顕現すると思います。

②予習・復習=授業の別名である
文法・句形事項などにおいては、新知識分野の習得が予習であり、また現代文・古文・漢文を問わず長文読解や長文問題の実戦演習においては、その読解や演習そのものが予習に相当します。一般に、前者は説明学習として授業内で実行され、さらにその確認=復習も授業内で実行されます。後者も読解や解答の解法解説は必ず授業内で実行されます。 そういう意味で授業は、予習・復習が複合的に集約され完結した、君自身の知の宇宙だと言えます。「予習→復習」という完結型のユニットが、毎回、常に授業内で確実に実行されているということです。授業は1回目の復習でもあるということを肝に銘じてください。2回目の復習=未来の自分の目線を意識した生きた君が、教室のそこに居ると思います。

③自習=弱点を強化する
授業=メインに対して、あくまでも自習=サブとして捉えるのが賢明な学習法です。自習は君の国語力を、君自身の自由と責任において見事に補完してくれるうれしい手段です。授業で確認できる君自身の弱点(ほとんどの諸君は過去の国語学習によって既に自覚していると思います)を、自習=独習によって強化克服するのです。たとえば、現代文の漢字力が弱い場合…まず、漢字力→語彙力→読解力→思考力→解答力→得点力といった「負の連鎖」を正面から認識し、危機意識を持って夏期という短期間での増強を図るのです。そのためには、漢字問題集1冊を、たとえば1日でやり終えるなどの短期集中型ショック療法的な方法が効果的だと思います。やり方を変えない限り「結果=自分」はいつも同じ、いつまでも変わらないということを忘れないでください。受験直前期には不可欠で強力なものですが、夏期においては、自習は本当の勉強ではありません。自習はあくまでも弱点強化のためのサブ学習であることをくれぐれも忘れないでください。勘違いして取り返しのつかない後悔をしないためにも、老婆心ながらしつこく忠告する次第です。

◆共通テスト対策
各時代・各ジャンルの“理解”を徹底させましょう!
記述式問題が見送られたため問題の全体構成は従来のセンター試験通りです。しかしながら第一回共通テストの評論・小説において他文章を踏まえた考察が要求されるなど、刻刻と知識活用型の問題に変容しています。基本は従来のセンター試験の問題を利用して演習を重ねればよいですが、資料などを含む複数文章への対応や会話文形式の選択肢選定作業などに思いの外時間がかかることが想定されます。「時間制約」をこれまで以上に強く意識して新傾向の問題への対応時間を確保する必要性があります。

◆2次試験・私立大入試対策
今春の大学入試において、旧帝大レベルの2次試験題材の中では学術的なテーマのものが多く見受けられました。共通テストの変革路線とは対照的な傾向が見て取れたということです。一方地方公立大学の入試問題においては共通テストの改革路線に即した形で、実用的思考力を要求した新傾向問題が出題されるケースもありました。いずれにせよ、10年単位の分析のみならず今春の各大学の出題傾向を確認した上で戦略を立てる必要性があるでしょう。私立大学の問題に対しては「学部」ごとの問題傾向まで正確に把握し、時間配分を良く意識した戦略が不可欠です。特に「漢文」科目の要否や記述式問題の有無などは夏までには下調べをしておきましょう。また、私立大学で記述式問題が課される場合は配点の比重が極端に高くなる場合も多いので、その場合は添削指導を有効に活用し入試を迎えるようにしましょう。

高1 夏の学習ポイント

高1生にとって最優先すべきは、やはり古文・漢文です。まだ本格的な学習が始まったばかりのこの分野を、得意にするか苦手にするかで、今後進路を決定する際に大きな影響が出てしまうからです。少なくとも国公立大学を受験する可能性があるのならば、文系の人はもちろん、理系の人も苦手科目にしてはいけません。基礎をしっかり固めて今後に備えるために、文法・句形事項を徹底してマスターしましょう。

高2 夏の学習ポイント

高2の後半から、現代文・古文・漢文すべての分野において、実力テストや全国模試の難度が急激に上がり、難しいと感じられるようになります。比較的時間に余裕のある夏期講習期間中に演習量を増やし、実戦力をつけておきましょう。現代文・古文・漢文のいずれの分野も学習しなくてはならないのですが、全部をやろうとすれば必ず失敗します。国語が苦手な生徒は、この夏は焦らず古文に絞り込みましょう。古文単語や古典文法をしっかりと押さえれば古文を得点源にすることができます。

高3 夏の学習ポイント

◆現代文
選択式にせよ、記述・論述式にせよ、夏の間に解答を導くまでの確実な解法を習得しましょう。ただし、我流では限界があります。まだ時間は残されているのですから、2学期以降の実戦演習に備えて、塾の授業を基本に据え、正攻法で解答できるよう心がけてください。また、模試を受けた場合はしっかり解説を読み、解答への根拠や論拠を分析的に確認しておきましょう。

◆古文
古典文法は、用言の活用、助動詞や助詞の用法の暗記が不十分であるなら、集中的に復習する必要があります。文法は正確な解釈のためには欠かせないものです。ラストチャンスのこの夏こそ、古典文法を完全にマスターしましょう。次に、重要古語は本来文章を読む中で身につけていくのが良いのですが、この時期になるとそうもいきません。語彙力の不足を感じている人は、重要古語と言われる300語を一度は完全に暗記してみましょう(例えば、1語=10秒で覚えれば300語=50分で覚えられます)。忘れてしまうかもしれませんが、2学期以降も繰り返し暗記するチャンスはあるのですから気にする必要はありません。とにかく一度は暗記した、という経験が後に大きな影響と自信をもたらすのだと心得てください。 最後に、文章読解は、古典文法や単語がある程度身についているようなら、敬語や接続詞に気をつけて読解演習の量をぐんと増やしましょう。敬語は主語判定の欠かせないポイントなので、これをおろそかにすると古文は読めません。主語が省略された文章を読むと良い訓練になります。読解は、時間を意識して読み慣れていないと、制限時間内に解答できないといったことになりかねません。今まで学習した文法事項や重要古語を再確認するとともに、解答法についても学びましょう。

◆漢文
国公立大を目指す場合でも「共通テストまでしか必要ない」という人も多いはずです。たとえ二次試験で出題されるとしても、それほど高度な事項は問われません。問題なのは、今まで漢文を勉強した形跡のない人が多いということです。しかし、必須知識が極めて少ないため、短期間で得点がぐんと伸びるのも漢文なのです。夏の間に重要句形と重要単語は確実に習得しましょう。また、読解演習を行った後は、しっかりと復習しておきましょう。





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