2021年05月01日
2021年度 山口大学二次試験講評《物理》
試験時間は理科1科目で90分、大問数は4題必答が例年であるが、2021年度では新型コロナウィルスの流行に配慮し、5題から4題を選択する形式であった。
大問1は「力学」分野から、斜方投射・はね返りについての問題であった。斜面への投射では、斜面方向をx軸としてとらえる必要があり、経験がなければ戸惑ったであろう。
大問2は「熱力学」分野から、ピストンに封入した理想気体の変化に関する問題であった。p-Vグラフを作成し、そこから気体のする仕事の計算を行うなど、応用力が試される問題であった。
大問3は「波動」分野から、フーリエ赤外分光装置の仕組みについてであるが、前半は問題文の説明を理解できれば、解くのはそれほど難しくはない。後半では三角関数の式変形、式からの位相、振幅の読み取りがあり、難しく感じたであろう。
大問4は「電磁気」分野から、レール上の導体棒にはたらく電磁力と誘導起電力、摩擦力の関係を考える問題であった。スイッチを切り替えた瞬間の加速度など、電磁気・力学双方の理解度が問われている。
大問5は「原子」分野からで、核反応、質量欠損、コンプトン効果について問われている。この単元を重点的に学習していた生徒は少なく、選択者は少なかったかもしれないが、難易度としては大問2~4に比べると解きやすい。2022年度以降は必答問題として出題される可能性があるため、今後も原子分野の学習は必要といえる。
山口大学の物理では、一般的な問題集で扱われている題材を中心に出題されることが多く、設問もシンプルである。ただし、2021年度の入試問題では応用問題の割合・難易度が高く、多くの受験生が苦戦を強いられたものと思われる。
対策として、まずは標準レベルの問題集一冊を完璧に理解しておこう。さらに、山口大学より難度の高い広島大学・九州大学などの入試問題にも挑戦し、応用力を鍛えておきたい。
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