2021年05月01日
2021年度 岡山大学二次試験講評《国語》
120分で大問4題。配点は、法が400点、経済(昼)が300点(国語・数学・英語[各300点]から2科目選択)、文・教育が200点。大問数は例年通り。
大問1は現代文評論(渡辺裕『感性文化論〈終わり〉と〈はじまり〉の戦後昭和史による』)、大問2は現代文小説(河﨑秋子『うまねむる』)、大問3は古文(『十六夜日記』鎌倉・日記)、大問4は漢文(范成大『呉舟録』の一部、南宋・紀行)で例年通りであった。尚、2007年度のみ大問3が異例で、夏目漱石の文語文だった。
出題傾向としては、現代文は傍線部説明問題(1問あたり50~120字程度の記述量)がメインである。評論は、本文の分量が2020年度の2127字から4230字に大幅に増加した。全体の難易度は易化しているが、一部に設問意図が分かりにくいものがあった。例年の難易度から考えるとこの数年は解きやすい問題が続いている。小説は、分量、難易度ともに昨年並みで読みやすいものであったので、確実に得点することが必要であった。評論と小説の時間配分を意識的に行うことが合格点獲得には不可欠である。
古文は、2021年度も有名出典である『十六夜日記』からの出題だった。分量はやや減少している。ここ数年文法問題は出題されていないが、2018年度は、問二で主語判定の問題が出題された。当然対策は不可欠である。本文が読みやすく、分量も少ない。しかし、和歌が多く、とらえにくい面もあったので、和歌に対する対策もある程度必要であった。難易度は昨年度と比較するとやや易化している。
漢文は、紀行文からの出題で、難易度は昨年並みだが、分量が昨年の140字から256字へと増加した。基本的な句形の知識で得点につながるような設問も多いので、内容説明の問題に落ち着いて取り組むためにも、基本的な知識を完璧にしたうえで臨むことが望ましい。
各大問いずれも小問ごとの記述量は特別多くはないが、その分キーワードを踏まえた的確な解答力が要求される。基礎知識の習得はもちろん、現代文・古文・漢文とも、全体と部分を関連づけた読解力の有無が、得点を大きく左右することは必至である。また、岡山大学では、和歌・漢詩も頻出であり、これらの対策も必要不可欠である。
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