2021年05月01日
2021年度 神戸大学二次試験講評《国語》
100分で大問3題(経営学部のみ80分、大問2題[漢文なし])、配点は文・法・国際人間科学(発達コミュニティ・環境共生-文・子ども教育)150点、国際人間科学(グローバル文化)160点、経済125点、経営100点。
大問1は現代文評論(『心にとって時間とは何か』青山拓央)、大問2は古文(『平家物語』、軍記物語)、大問3は漢文(『夢渓筆談』沈括、随筆)で、例年通りの大問構成であった。
現代文は漢字(5問)と傍線部説明問題(80字が3問、160字が1問)で、昨年と同様である。分量は2020年度から1000字程度減少した。神戸大学の第一問では現代思想を扱った文章が出題されることが多いが、今年度の哲学文章はその流れを汲んだものであった。全体として大幅に難化したと評価できる。
古文は入試問題で頻出の『平家物語』からの出題。設問数は昨年と同様に5問。神戸大学の古文は中世の有名作品からの出題が多い。文学史の学習も含めて基礎的な文法学習を着実に重ねていくことが肝要である。
漢文は『夢渓筆談』からの出題で、難易度は昨年並み。書き下し1問、現代語訳1問・内容説明2問が出題された。解釈を前提とした説明問題も出題される一方、基礎的な語句の理解を問う問題も例年出題されているので古文と同様に基礎的な文法学習を継続することが合格への鍵となる。
相当な記述量と、それに対する時間的制約によって、他の中堅国立大学の国語と比較すると高難度である。基礎知識はもちろん、読解・解答共にスピードと精度の確実な習得が不可欠であり、それらによって大きな得点差が生じることになる。現代文の80字問題は要求内容に対する字数制限が厳しいものが多い。早期の記述対策が必要である。
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