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2021年05月01日

2021年度 九州大学二次試験講評《化学》

試験時間は、理科2科目で150分、大問数は5題であり、全問必答問題であった。2021年度はコロナ禍で受験生の演習不足に配慮したためなのか、大問が1題減少した。

大問1はハーバー・ボッシュ法と四酸化二窒素の解離平衡を題材とした反応速度および化学平衡に関する問題であった。標準的な問題であるが、最後の問6だけは計算も煩雑で難しい。

大問2は14族元素であるケイ素・炭素をテーマとする出題で、やや細かい知識問題が出題された。

大問3は合成繊維・合成樹脂に関する出題であった。自然界で分解される生分解性高分子の話や、見慣れないジカルボン酸を用いたポリエステルの話が出てきているが、いずれも教科書範囲内の知識で解くことができるようになっている。

大問4はオゾン分解を用いたアルケンの構造決定問題であった。幾何異性体が存在することには注意する必要があったが、分解生成物の条件を考えれば構造決定は容易である。

例年解答時間に対する問題量及び計算量が多く、高得点を取るためには、かなりのスピードが要求される。理論分野に関しては、日ごろから標準~やや難しいレベルの問題で時間配分を考えた演習をしておきたい。

無機や有機分野に関する設問は比較的取り組みやすいものが出題されているため、教科書レベルの知識をまんべんなく整理しておくことで、確実に得点源にしたい。

また、一部に発展的な内容を問う問題が含まれることがあるが、教科書範囲外の知識についての失点はやむを得ないものと考え、計算ミスなどケアレスミスを最小限にとどめることが高得点の秘訣である。





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