2021年05月01日
2021年度 九州大学二次試験講評《物理》
試験時間は理科2科目で150分。大問は3題。出題形式は文字式による計算問題だけでなく、グラフ描図問題や論述問題が出題された。とりわけグラフ描図問題は頻出で、2021年度はすべての大問で出題されている。
大問1はばねにつながる2物体の衝突前後の運動についての問題であった。運動量・エネルギーの保存、単振動の振幅、はね返りの式など基本的な公式を利用しての計算問題が主で、解きやすかったであろう。ただし、扱う文字が多いため、最後の描図問題では値を算出するのに少し戸惑うかもしれない。
大問2は電磁気学。問1はコンデンサーで、静電エネルギー、電池の仕事、電流の変化(グラフ)が問われている。問2は磁場内でのローレンツ力による電荷の円運動についての問題である。問1での「消費エネルギー」、問2での「円運動」を問う論述問題(各25字以内、30字程度)については、基本的な内容であり、慣れていれば問題なく解けたであろう。
大問3は熱サイクルの問題で、断熱変化ではポアソンの法則を用いる。PVグラフからVTグラフへの書き換えは、問題文にある通り、「上下どちらに凸であるか」その考え方まで押さえておきたい。最後の設問は放出した熱の一部を利用する熱効率の向上についての計算・考察問題であった。空所補充形式ではあるが、計算は煩雑であった。
対策としては、標準的な問題を素早く正確に解く力、さらに各種物理現象の仕組みを説明できる力を身に付けておこう。また、やや難しい問題にも取り組んで思考力を鍛え、どのような出題にも落ち着いて対応できる力を日ごろから錬成していきたい。描図問題、論述問題は今後も出題が続くであろう。
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