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2021年05月01日

2021年度 京都大学二次試験講評《地理》

試験時間は90分。2019年度より大問数が5つになり、論述の記述量はやや増加した。出題内容は自然地理、人文地理ともにバランス良く出題されていた。読図問題は必ず出題されている。その他グラフ、図表を使った問題も数多い。

第1問は「高知県奈半利町付近の地形図読図」。山地の産業の考え方、水害や高潮などの危険性など、総合的な思考力が求められた。全体的にやや難しい。

第2問は「オセアニア地誌」。オーストロネシア語族を解答させる問題はやや難しいが、それ以外は比較的基本問題であった。

第3問は「乾燥気候と生活」。塩害や砂漠化のメカニズムを問うが、共通テストレベルの基本問題で十分対応できた。易しい問題が多いので取りこぼしが許されない。

第4問は「水産業」。日本のエビ輸入が、東南アジアの環境問題の一因となっていることが予備知識となる。その他の問題も、主要国の漁業の全体特徴がわかっていれば大局的に判断できた。

第5問は「通信」。携帯電話の普及と固定電話の減少の背景を読み解く。設置コスト問題と利便性を理解していれば解けた。デジタルデバイドの意味を問う出題は『地理講義』テキストからそのままコピーしたような問題であった。

京都大学地理の難易度は一部を除き標準レベルだが、アウトプットの訓練を多く行う必要がある。共通テストレベルの地理用語や統計判定を問うものが多く、論述もオーソドックスなものが多いため、対策としては、まずは教科書レベルの基本的な知識の定着と用語の理解、地理的な考え方の習得が前提となる。その上で京都大学の5年分程度の過去問演習を行い、他大学の問題も解き最新データに多く触れることをお勧めする。





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