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2021年05月01日

2021年度 京都大学二次試験講評《生物》

試験時間は例年通り理科2科目で180分。大問数も例年通り4題であった。2019年度以降、大問4問中、2問のみがAとBに分かれてり、実質6題の出題形式である。論述問題はすべて字数制限がなかったが論述量は減少している。全体の難易度としては、昨年度と同程度であった。

大問1は『遺伝子の発現』に関する問題であった。転写の開始点の考察、GFPタンパク質の発現部位の考察などが出題された。

大問2は『遺伝』に関する問題であった。マウスの毛色と疾病に関する遺伝子の連鎖に関して問題を解き進めながら考察する問題であった。難度としてはやや高めだといえる。

大問3の(A)は『植物の環境応答』に関する問題であった。問1、問2は基本的な知識問題であり、ここでの失点は抑えたい。問3、問4はやや難度が高めの資料を用いた考察問題であった。(B)は『刺激と反応』に関する問題であった。後半の考察問題で時間を要したと思われる。全体的な難易度は標準レベルであった。

大問4の(A)は『植物の防御応答』に関する問題であった。昆虫による食害に対し、どのように植物が防御するのかを考察する問題であった。(B)は『生態系』に関する問題で、エネルギーの流れや生産効率を考察する問題が出題された。難度としてはやや高めであった。

従来通り、実験データを解釈して論述する問題や計算問題が合否を分ける点は変わらないが、基本知識に基づく空欄補充問題が増加傾向にあるので、全分野にわたって基礎知識を正確に把握し、ここで確実に得点したい。また、考察問題に関しては、過去問を演習して、伝えるべき内容をコンパクトにまとめる練習をしておくことはもちろんであるが、手を出しにくいと感じる人には、初めは京都大学よりもやや取り組みやすい大阪大学の過去問で練習することをおすすめする。





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