2021年05月01日
2021年度 東京大学二次試験講評《英語》
試験時間はリスニングを含め120分で、大問数は従来通り5題でした。
大問1(A)は例年通りの要約問題で、今年度は抽象的でしたが、指示のある設定となっていました。解答作成に関しては例年通り、論点を取捨選択しながら13分程度で解答を完成させなければならないことから、過去問等を使用した「慣れ」の部分は必要不可欠です。また、解答字数が少ないことから、思い切って削除すべき箇所を特定できたかどうかも解答速度と大きく関係したと考えられます。
(B)は、大きくは昨年度と同じ出題となりました。空所補充では、ダミーの選択肢が1つ増えましたが、空所の前後でほぼ解答できることから、満点を狙いたいところです。反対に整序問題は短い時間では解答にたどりつけなかった生徒も多かったのではないでしょうか。配点的な観点からも、空所補充で得点し、整序は「できれば」といった割り切りが必要です。
大問2(A)では、「暮らしやすい街の条件」に関する自由英作文が出題されました。昨年度に比べ、比較的テーマとしては内容が思いつきやすかったのではないかと考えられます。その分、文法等のミスが差を生みそうです。
(B)では昨年同様、和文英訳が出題されました。
大問3のリスニングも難易度は例年並みでしたが、英文を聞き取る能力と選択肢を理解する能力の両方を一度に問われ、配点も30点程度だと考えられることから、苦手な生徒は半年程度の準備の期間は必要と考えられます。
大問4(A)は正誤問題が出題されました。正誤問題と整序問題のどちらが出題されるかが年によって変化しているため、両方の対策を普段からしておきましょう。また、特に動詞の語法等に関しては、例年以上に識別しにくい問題もあり、単語を覚える際に例文も使用しながら、動詞の後ろの形を確認しておきましょう。
(B)の英文和訳に関しては、過去問で慣れている受験生には構文の把握などは例年通りであったと考えられます。大問5に関しては、多くの受験生は20分~25分程度の解答時間を予定していますが、この時間の中では本文の大まかな内容は読み取れても、設問の空所補充等の問題で正確に解答するのは困難だと予想できます。また、問題も整序、語句の空所補充と、ミクロの読解とマクロの把握が求められる要素が出題されていました。
例年、東京大学の問題は制限時間に対して問題量が多く、問題の狙いを素早くつかみ、設問を処理する能力が必要です。また、東京大学が、解答が一種類ではないことを明言しており、英作文等ではいかに自分の考えを論理的に説明できるかどうかも鍵となりそうです。問題の傾向も毎年少しずつ変化しており、いわゆるパターン的な用意ではなく、包括的な英語力の向上に努める姿勢を大切にしましょう。
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