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2020年04月28日

東京大学二次試験の講評(2020生物)

試験時間は、理科2科目で150分。例年大問が3題出題されるが、各大問は2~3題の独立した設問に分かれているので、実質の大問数は6~7題と思ってよい。2019年度は全ての大問がⅠ、Ⅱに分かれていたが、2020年度は大問3がⅠ~Ⅲに分かれていた。論述問題の指定行数は、2019年度の21~23行程度から34~36行程度と大幅に増加した。個々の問題の難易度は、2019年度と比較してやや易化したが、考察問題と記述問題に時間がかかるため、平均点はやや下がると予想される。


第1問は、Ⅰガン化、Ⅱ白血病に関する遺伝子の問題であった。かなり分量が多く、考察に時間がかかったものと予想される。また、終始コドンを覚えていないと解けない問題もあり、難度は高めであった。
第2問は、Ⅰ植物の共生と相互関係に関する問題、Ⅱ気孔の開閉とアブシシン酸に関する問題であった。Ⅰ、Ⅱとも内容的には難しくないが、記述量が非常に多く、時間がかなりかかったものと思われる。
第3問は、Ⅰ動物の系統、Ⅱ珍渦虫と無腸動物の類縁関係、Ⅲ後生動物の起源を考察する問題であった。Ⅰは主に知識問題、Ⅱ、Ⅲは考察問題であったが、いずれも標準的な難易度であった。


例年、東京大学の生物は遺伝子、タンパク質、植物の環境応答、進化に関する出題が多い。出題形式は、実験考察・資料解析をもとにした記述式が主なので、過去問演習を通じて50~100字程度の論述問題を素早く簡潔にまとめる練習と、長い文章を根気強く読み進めていく練習が欠かせない。知識を使った空欄補充や論述問題は決して多くはないが、対策をおろそかにせず、確実に正解して得点と時間を稼ぎたい。


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